昔は、スパイクタイヤといって表面から鋲(びょう)が出ていて雪道でもアイスバーンでもガリガリしながら走っていました。 勿論雪のない路面もガリガリ走っていたので、アスファルトが削れて粉塵など問題になりいまでは鋲(びょう)のないタイヤ、スタッドレスタイヤというものが出てきたのです。
ではスタッドレスタイヤと普通のタイヤ(夏用タイヤとか言ったりします)との違いはどこにあるのでしょう。 最近ではスタッドレスタイヤも夏用タイヤに近づいたドライ路面のフィーリングを持ってきましたが、ゴム質が軟らかくできています。
雪道を走るには、路面を捉えることが難しく排水や凹凸への柔軟性が必要です。 ゴムは冷えると硬くなる性質があるので低温度でも柔軟で、ブロックやグループも大きく、サイプも必要です。
細かく書くときりがないので、つまり夏用タイヤでは動くことも出来ない滑りやすい雪や氷の路面でもそれなりに走ってくれるタイヤがスタッドレスタイヤなのです。
自動車に詳しくない人はマイカーのタイヤサイズも知らない人が多いでしょう。 カーショップにお任せもよいですが、サイズの基本は知っておきましょう。
といっても難しくはありません。タイヤに書いてあります。 195/65R15とか書いてあるので、自分の自動車のタイヤに書いてあるのと同じサイズが無難です。
インチアップやロードインデックス、スピードレンジなどは普通に使いたい初心者の人でメーカー品を選ぶならあまり問題はないでしょう。(購入先で聞いておくのもよいでしょう)
自分の自動車のタイヤサイズがわかったら、どのメーカーのどの種類を選ぶかと言う事になりますがメーカーも種類も多くて迷う人も多いと思います。
そこで各メーカーのスタッドレスタイヤの特徴を書いておきましょう。
昔から人気のあるスタッドレスタイヤといえばブリジストンのブリザックのシリーズといって意義を唱える人はいないでしょう。 とくに2013年に発売された最新のスタッドレスタイヤであるブリザックVRXは、集大成と公言しているので期待が持てます。
現在古い順にREVO1 REVO2 REVOGZ VRXとありますが、総合性能の良い順と販売価格は比例しています。 発泡ゴムというのが特徴でREVOGZから省燃費性も向上しています。
予算に余裕があるならVRXかREVOGZで後悔はしないでしょう。
次にオススメのスタッドレスタイヤは、ヨコハマのアイスガードシリーズでしょう。 新発売ではないですがアイスガード5 IG50も良いと思います。
実売価格は、VRXと変わらないようですが、コチラは」氷上性能と経年劣化による性能低下の防止、省燃費性に重点を置いたスタッドレスタイヤです。
ダンロップのウインターマックスXです。価格も少し手ごろで氷上性能と磨耗しにくい技術や材質による性能低下の防止に加え乾燥路からウエット路面まで対応できるパターンを採用しています。
トーヨータイヤは定番の胡桃の殻を練りこんで雪面を引っかくクルミックススタッドレスが有名です。 今シーズンはSUVやCCV専用のオブザーブ GSI−5を新たに発売しています。
乗用車用としては継続モデルのG4やG5となります。ヨコハマアイスガード 5 iG50などと同じような実売価格ですが、ミニバン専用のトランパスMK4αも人気です。
海外ブランドとしては、ミシュラン、ピレリ、グッドイヤーなどがあります。
グッドイヤーは新製品のアイスナビ6を発売していますが、人気のほうはいまひとつでセールのセット他親などに良く使われていると思います。
それぞれに特徴はあるのですが、評価など見るとミシュランやピレリは雪上は及第点で乾燥路での評価が高いようです。 特別な考えがない限り国内メーカーのスタッドレスがオススメです。
韓国製や中国製のアジアンスタッドレスもあるのですが、価格は確かに安いのですが信頼性という点で個人的にはオススメしません。
スタッドレスタイヤのオススメというと、全てに良いタイヤというのは存在しないわけで後は個々の事情で選ぶことになるでしょう。
豪雪地帯に住んでいれば雪上運転が多いでしょうしそこが極寒冷地ならアイスバーンも運転するでしょう。極寒でなければシャーベット路面の機会も多そうです。
首都圏からスノボに行くなら乾燥高速道路からゲレンデ近くの曲がりくねった雪の山坂路面まで幅広い性能が必要です。
首都圏で通勤なら厳しい条件で走ることはないし、近所へのお買い物が主体でも極寒使用はいらないですね。 年に一回あるかないか、数センチの積雪を走るなら格安の旧モデルでも事足りそうです。
このように自分の事情にあったスタッドレスタイヤを選べばよいと思います。
スタッドレスタイヤの寿命や買い替えサイクルはどの程度なのでしょう。
タイヤ自体はスリップサインというのがあって、雪道走行が許されるのはプラットフォームといわれる場所にスリップサインが出る前までです。通常よりも溝が浅く(でっぱりがある)なっていて、そこがでてれば雪道走行は危険ということです。
通常のスリップサインが出るまでは乾燥路は走れます。 プラットフォームが出たら夏用タイヤとして使う人もいますが、ゴムの柔らかさなどが違う事などで普通の夏用タイヤにはお劣りますから同じ感覚での使用はしないほうが無難です。
スタッドレスタイヤの寿命は、タイヤの磨耗だけではありません。タイヤのゴム質の経年劣化が夏用タイヤよりも厳しい目で見なければなりません。
通常は3年から5年といわれていて、ゴム質が硬化するのが大きな原因です。 雪道を走ったり、サンデードライバーなら5年走ってもそんなにタイヤの溝はなくならないでしょう。
それよりもタイヤのゴムが劣化することのほうが多いのです。 タイヤ屋サンなどは硬度計で判断しますが、触っただけではわかりません。
使用する側としてはできるだけ長く使いたいものです。 そこで、保管方法がスタッドレスタイヤの寿命を延ばすのに重要になってくるのです。
タイヤの保管の仕方でタイヤの性能の低下が違います。 まさか、軒先やベランダの隅に野ざらしなんてことはないでしょうが、スタッドレスタイヤは柔らかいゴムでその柔軟さを維持するのが上手な保管の方法です。
空気圧は1キロ程度と低くして(風船もパンパンでは伸びきってしまいます)、平積みにしましょう。(縦においては接地面が平たく変形の恐れ)
雨風や紫外線、極端な高温や低温にさらされないところに袋に入れて保管が望ましいです。 タイヤの下には、ゴムの油がしみてもよいように何か敷いて置きます。
保管前には掃除を忘れないようにしましょう。ホイールがさびたりしますよ。 気をつけるのは、ゴムを強い洗剤などで洗わないことです。
普段の洗車でも同じですが、脱脂力の強い洗剤の使用はタイヤのゴムをいためます。専用品を使い保護剤の使用も良いと思います。
ショップによっては、シーズンオフには預かってくれるサービスもあるようです。
その他の注意としてはタイヤチェーンの携行です。 雪道走行に慣れていない首都圏の人に多いのですが、スタッドレスタイヤがあればどんな雪道でも走れると思ってしまいがちです。
実はそんなことはなくて、以下にスタッドレスタイヤでも4輪駆動車でも走らない雪道があるのです。 上れなかったり、下りだしたら止まれないなんてことにならないようにタイヤチェーンは携行しましょう。
勿論事前に装着の練習をしておくのは必要です。 たいていは、厳しい気候の下で装着することになりますから、自宅で予行練習は必ずするようにしてください。
特に経験の浅い初心者の人は、スタッドレスタイヤを過信しないように! 雪道運転の一番はタイヤよりも急のつく動作をしない慎重さにあると知っておいてください。